こころの悩み

【くるみnote.】婚活がうまくいかないのは「幸せ恐怖症」だから?原因と克服のポイント

ライター
くるみ編集部
監修者
公認心理師 大城ケンタ
2023.12.01 公開
結婚したくて婚活をしているのに、幸せな結婚生活のイメージができずに悩む女性は多いです。出会う男性を信用できない。相手を好きになれないなど、理由は様々ですが、婚活がうまくいかない原因は「幸せ恐怖症」かもしれません。
そこで今回は、無意識のうちに幸せを遠ざけてしまう女性の心理を、心理カウンセラーの大城ケンタさんと一緒に考えてみました。
もくじ
1. 幸せ恐怖症とは? 2. 幸せ恐怖症を抱える人は婚活が上手くいかない 3. 幸せ恐怖症の人の特徴的な考え方 4. 幸せ恐怖症の原因は? 5. 幸せ恐怖症を克服する方法

幸せ恐怖症とは?


坂田:幸せ恐怖症ってあまり聞いたことのない単語ですが、どのようなものでしょうか?

大城:一般的にはあまり馴染みのない言葉ですよね。主に恋愛心理学で使われるような言葉です。

「結婚したい。幸せな家庭を築きたい」と意識では望んでいるのに、無意識では幸せになるのが怖いと思い込んでいて、不幸な状態に居続けてしまう現象です。幸せな状況になるのを避けたり、幸せな状況を壊してしまいたくなり、恋愛や婚活で悩む方が少なくありません。

坂田:無意識で幸せになることを怖がっているんですね。それは現状からの変化を怖がっているということでしょうか?

大城:まさにその通りです。ある意味で、結婚前のマリッジブルーと似ているかもしれません。

先行きがわからないことに対して飛び込むのって怖いですよね。その恐れや不安が非常に強く、さらに持続的というのが幸せ恐怖症であり、マリッジブルーとは違う点と言えるでしょう。

坂田:恋愛や結婚は不確定な要素が強いので、選択を取ることを躊躇してしまう人もきっといますよね。

幸せ恐怖症を抱える人は婚活が上手くいかない


坂田:婚活って基本的に幸せになるためにするものなので、無意識とはいえ幸せになることが怖いとなると、なかなかうまくいかないですよね。

大城:そこが難しいところだと思います。本人も無意識において、幸せになれないような相手を選んでしまうことがあります。あるいは相手はとても素敵な人なのに、わざわざ悪い点を探してしまうような人もいます。

坂田:婚活でも、不安を見つけるのが上手い人は多いですね。相手に対する不安や不満を見つけて進めない状況に陥ってしまう人は多くいらっしゃいます。

どうしようもない不安を相手にぶつけてしまい、相手から終了されるように仕向ける行動をとってしまう人もいますね。

大城:まさに幸せ恐怖症と言えるでしょうね。そういったことが続くと、ご本人も辛いと思います。
そういう意味では、我々カウンセラーやコミュニティサイトのくるみを活用して頂くことで解決へ一歩となる思いますので 、お一人で悩まず、ぜひSOSのお声を上げて頂きたいですね。

幸せ恐怖症の人の特徴的な考え方


男性が信用できない


坂田:幸せ恐怖症についてある程度理解できましたが、もう少し詳しく幸せ恐怖症の人に共通する特徴などはあるのでしょうか?

大城:幸せ恐怖症の人、特に女性は恋愛の場面になると、男性への不信感や不安が大きくなります。「何か裏があるんじゃないか?」「本当に私のこと好きなの?」と勘繰ってしまい、精神的に不安定になりやすいのが特徴です。

坂田:男性への不信感や不安ですか。 

例えば、結婚を早くから決断してくれた男性に対して、「詐欺じゃないか?」「何か問題を抱えている人じゃないか?」など過度に疑ってしまう女性はいらっしゃいます。

信用できるかどうか試すような行動を取ってしまったり、信用できるかどうかを仲人に聞いてこられるんですが、難しいですよね。

大城:それは難しいですよね。ご本人も辛いでしょうが、仲人さんも対応が難しい場面かもしれませんね。

結婚に対して良いイメージがない


坂田:他にも幸せ恐怖症の方に特徴的なことはあるのでしょうか?

大城:結婚に対して良いイメージがない、というのも特徴ですね。

坂田:何となく結婚していない人ほど良いイメージを持っていないような気がします。

大城:幸せ恐怖症は一時的なものではなく、子どもの頃の家庭環境で苦労したり、過去に男性に浮気されたり、裏切られたりして傷ついた経験を繰り返していることが多いですので、仕方ないことかもしれません。

坂田:結婚に対して良いイメージが持てないのは、育った家庭環境や今までの恋愛も影響しているのですね。そうなるとかなり根深い問題と言えそうですね。

自己肯定感が低い


大城:近年は自己肯定感という言葉が流行していますが、やはり幸せ恐怖症の方も自己肯定感が低いと言えます。

坂田:自己肯定感という言葉はよく聞きますね。自分の決断に自信が持てないから他の人の意見や一般論が気になったり、一般的に言われるいい条件に当てはまるような人を探してしまうなど、わかりやすいものを求めてしまうイメージです。

大城:まさにそのようなことですね。婚活中の方は世間体や周りの声を重視しすぎず、心の声をや本心を大切に婚活を進めて頂きたいです。

幸せ恐怖症の原因は?


坂田:幸せ恐怖症の克服方法についてお聞きしたいのですが、その前にそもそもなぜ幸せ恐怖症になるのか?その原因についても教えて頂けますか?

大城:幸せ恐怖症になる原因ですが、幼少期の家庭環境で良い思い出がない人や、学校でのいじめ、過去の恋愛で浮気されたなど、人生を振り返って辛い経験を送っていることが幸せ恐怖症に繋がっていると考えられています。

別の言い方をすると、愛されることに慣れていないんです。だから、愛されて幸せになる選択が取れないんですよね。 

坂田:子どもの頃から辛い人生を送ってこられたことが幸せ恐怖症の原因としてあるんですね。でも、幸せに憧れがあるなら手を伸ばしたいですけどね。なぜ飛び込めないのでしょうか?

大城:それは「男性は信用できない」といった不信感や、「私なんて愛されるはずがない」という自己肯定感の低さが、我々が想像するよりも強烈で、そして根深く存在するからだと思います。

なので、男性に対する不信感や自己肯定感の低さを乗り越える必要がありますね。 

幸せ恐怖症を克服する方法


坂田:それでは幸せ恐怖症の克服方法について教えて頂けますか?

結婚相談所で幸せなカップルを目の当たりにすると、やっぱり幸せな結婚を掴んで欲しいなと思ってしまいます。

大城:まず大前提として、無自覚で起こっている話なので、本人がこの問題を自覚することが大切です。「幸せ恐怖症かもしれない」と自分を見つめていくところがスタートですね。

坂田:なるほど、自覚した次はどうすれば良いですか?

大城:自分でできる方法としては、幸せな結婚のイメージを書き換えることです。幸せな結婚のモデルを見つけて、「こんな結婚ができたらいいな」というイメージをどんどん膨らませてみてください。

例えばYouTubeで発信している夫婦を見てみたり、身近な友人やくるみの掲示板を利用して、幸せな夫婦生活を送っている方のお話を聞いてみたりすることで自分の固定概念を崩していくといいですね。

坂田:理想のモデルを見つけて結婚へのイメージを変えていくんですね。今はネットやSNSが身近にあるので、それをうまく活用していくのはいいですね。

今回は幸せ恐怖症について理解が深まりました。ありがとうございました。

大城:こちらこそ、ありがとうございました。この対談の内容が少しでもお役に立つようでしたら幸いです。